咳、鼻水は小さい子で最も多い症状だと思います。ずっと咳や鼻水をしていて心配というような子もいるかもしれませんが、大抵の場合は治ってまた風邪をひいてを繰り返しています。しかし、アレルギー性鼻炎が治らない場合や、気管支喘息だったということもあるので、軽い症状でも長く続く場合は相談ください。症状が重い場合は、肺炎などの細菌感染症のこともあるので早めに受診してください。
咳
まずお伝えしたいのは、咳は悪いものを体の外に出すための防御反応のひとつであるということです。咳を止めたいという気持ちで受診されるかもしれませんが、咳を止めることよりも、根本的な原因を見極めることのほうが遥かに重要です。なぜなら、軽い風邪であれば咳止めなど飲まずに放っておくのが最も良いことが多いからです。とくに小さい子に関しては、安易に咳止めを処方するのは控えるべきと考えます。しかし、だからといって必ずしも咳止めを処方するのが間違いとも言えません。夜間、眠られないくらいに咳がひどい場合には、咳止めで症状を和らげることには意味があるでしょう。
咳止め以外に、痰切りの薬があります。痰切りの薬で有名なのはカルボシステインという薬ですが、本剤は痰の量を減らして、痰の性状を正常に近づけてくれます。これによって、痰をさらさらにして外に出しやすくします。
咳で注意しなければならないのは、長期間続くとき(1-2週間以上)、熱を伴ってひどくなっているとき、呼吸困難が生じているときなどです。これらの場合、気管支喘息、百日咳、肺炎などが疑われるため、早めに小児科医に診てもらいましょう。
鼻水
鼻水は鼻の粘膜の炎症によって生じます。鼻水自体が大きな問題になることは少ないですが、咳と同じく、原因が重要となります。ただの風邪であれば治ってしまえば良いかもしれませんが、副鼻腔炎が長引くと脳に感染が波及したりして重大な合併症を生じることが稀にあるので油断はできません。また、鼻と耳はつながっているので、鼻詰まりが長引くと中耳炎を合併するリスクが高まります。風邪の途中から耳を気にするようになったら注意が必要です。
★滲出性中耳炎に注意しましょう👂
滲出性中耳炎には注意が必要です。難しい病名ですが、簡単に言うと、耳の中に汚い水がたまる病気です。耳の中は通常空気で満たされていますが、水が溜まってしまうと、聴力が悪くなります。しかし、痛みを訴えないことがほとんどなので、小さい子では見逃されていることもあります。
自然に治ることも多いようですが、長期間続くと治療が難しくなることがあるので、耳の聞こえについてよく観察するようにしてください。鼻水が多かったり、風邪をひいた後で、「テレビの音が大きい」、「小さな声での呼びかけに応じない」などの耳の聞こえで気になる症状があれば早めに医師に相談ください。その場合、耳のプロである耳鼻科医の先生に診てもらうのがベストです。