腸重積症について

ロタウイルスワクチンを接種する前に、副反応として腸重積を発症するリスクがあることを親御さんに説明しています(ただし、ロタワクチンによる発症の可能性はとてもとても低いです)。

赤ちゃんがかかることのある重症疾患のひとつに腸重積症があります。3ヵ月から2歳頃までが多く、ウイルス感染症などによって腸の動きがおかしくなることで、腸のある部位が連続する部位に飲み込まれる形で腸が重なり合ってしまうことで生じます。長時間放置すると、腸の組織が壊死し、生命にかかわります。そのため、なるべく早期に医療機関を受診する必要があります。

診断には超音波検査が有用です。治療は空気整復が一般的で、これは手術をせずに済む方法ですが、空気整復法で改善がみられない場合は手術が必要になることがあります。発症から24時間以上経過すると腸の血流が長時間悪化することで腸が弱ってしまい、空気整復では腸管が破裂する危険などを考慮しなければなりませんので、緊急手術になる場合があります。したがって、手術せずに済ませるためにもなるべく早期に発見すべき疾患です。

では、どうやって早期に気づけばいいのでしょうか。赤ちゃんは「おなかが痛い」とは言えないので、観察することで腸重積を疑わなければなりません。
①血便(いちごジャム状の便)
②反復する不機嫌
③繰り返す嘔吐
④顔色が悪く活気がない
などが、疑う症状として挙げられます。

赤ちゃんが哺乳できなくなって不機嫌を繰り返し活気がないような場合は早急に病院にかかることを考えましょう。

ロタウイルスワクチンのメリット

ロタウイルスに感染した場合、とくに初回感染の場合、嘔吐、下痢、脱水症で入院になることがあります。ロタウイルスワクチンが定期接種化される前は、ロタウイルスワクチンの流行によって入院となるこどもがとても多かったのですが、最近ではロタウイルス感染の爆発による入院患者の急増が見られなくなっています。たしかに腸重積のデメリットがないとは言えませんが、発症確率はとても低く、またロタウイルスは生きている以上複数回は感染を起こしますので(ワクチンを接種しても感染しますが、免疫がない状態での初回感染ではないため軽症化が期待できます)、接種を積極的におこなうのがよいと思われます。どうか躊躇せず、積極的に接種をお願いします。