当ページは患者さんへの説明用です。症状がある場合には必ず医師にご相談ください。
赤ちゃんの嘔吐は、病的か病的でないかを見分けることがとても大切です。
赤ちゃんは、食道と胃を結ぶ噴門部というところがしっかり閉じないため、飲んだミルクなどが容易に胃から食道に逆流して嘔吐しやすい特徴があります。とくに生後間もない子は、気づいたら嘔吐していたり、溢乳(いつにゅう)といって、吐くまではいかないにしろ、口からペロッとミルクを戻してしまうことは多々あります。これらの嘔吐や溢乳は哺乳後に毎回あっても特に気にする必要はありません。機嫌が良く、体重がしっかり増えていて、便も毎日出ていれば心配することはないでしょう。
しかし、病的な場合は治療が必要なことがあるので注意が必要です。
①嘔吐を繰り返して飲んだものを何度も全部吐いてしまう
②だんだんと飲めなくなっている
③便が血の色をしている
④不機嫌で飲みたがらない
⑤嘔吐に加えて発熱がある
など、これらは病的な可能性が高いので病院受診をさせてください。とくに、腸重積や腸閉塞を起こしている場合は、緊急での処置が必要となりますのですぐに病院受診をしましょう。
これら以外にも、長期にわたって体重が増えていないなどの場合にも一度受診するのが良いでしょう。レントゲンや腹部超音波検査、血液検査などをして、場合によってはCT検査などの特別な検査が必要になる子がいます。