GW休みについて:4月28~29日,5月3~6日はお休みします。病児保育も同日お休みします。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎ってなに?

 アトピー性皮膚炎は、かゆみがあり、赤い、ぶつぶつで、カサカサな皮膚が特徴で、さらに皮膚が厚くなったり、ひっかき傷ができたりします。このような湿疹が、長期間にわたって良くなったり悪くなったりを繰り返します。簡単にいうと、皮膚のバリアが壊れている状態で、外界の目に見えないほどの小さな異物が簡単に皮膚の中に入ってしまい、それが刺激となってさらに皮膚の状態が悪くなります。
 アトピー性皮膚炎を悪化させる要因は様々ですが、はっきりしていることは、ひっかいたり、睡眠不足であったり、無治療の状態を放置したりすることで悪化します。

アトピー性皮膚炎を放っておくとどうなるの?

 皮膚の状態が悪いまま放っておくと、将来的に以下のような悪影響を及ぼします。

 ・食物アレルギーや喘息の発症リスクが上がる
 ・白内障や網膜剥離など目の合併症
 ・成長ホルモン分泌の低下
 ・かゆみによる慢性的な睡眠障害、集中力の低下
 ・皮膚からの感染症リスクの増大

アトピー性皮膚炎の治療

治療の三本柱

 ①スキンケア(清潔と保湿)
 ②薬物療法(皮膚の炎症を抑える)
 ③悪化要因の除去(正しい生活リズム、部屋の掃除など)

治療の実際

 全身を洗って皮膚についた汗やアレルゲンを落とすことで清潔な状態にして、それから保湿剤やステロイド外用薬などを塗ります。
 治療を始めると見た目はきれいになっていきますが、目に見えないレベルでのアトピーの状態は続いていて、完全には治っていません。そのため、「もうよくなったから」と言って治療を中断してしまうと、すぐに症状が再発してしまいます。ステロイド外用薬でまず皮膚の炎症をしっかりと抑え、徐々にステロイド外用薬を減らしながら、炎症を抑え、皮膚の状態を維持していきます。

<小児アトピー性皮膚炎ハンドブック>
 下記のパンフレットでは、喘息とアトピー性皮膚炎の関連性や、アトピー性皮膚炎の適切な診断、治療、対応についてQ&A方式で分かりやすく解説しています(独立行政法人 環境再生保全機構HPリンク)。
   ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブックダウンロード👇

ステロイド外用薬の副作用について

 ステロイドの副作用として、免疫力の低下や成長障害、高血圧、骨粗鬆症、糖尿病などを聞いたことがあるかもしれませんが、これらは、塗り薬(外用薬)ではなく、内服や注射で使用した場合の副作用です。したがって、通常のアトピー性皮膚炎の治療では、このような副作用は起こり得ません。
 ステロイド外用薬を使うと、皮膚が黒ずんでしまうと心配になる方も多いですが、これは薬剤の副作用ではなくて、適切な治療がなされずに皮膚の炎症が長引いてしまった結果として起こる治療の失敗例です。治療を見直すことで改善が期待されます。
 ステロイド外用薬を長く使用することで、皮膚が薄くなったり、にきびなどの副作用が出ることがありますが、患者さんに合わせて外用薬を調整することで、副作用を回避することができます。